休暇中の武装親衛隊下士官達


これはイギリスで入手した、武装SS隊員の休暇中を写したと思われる1枚。
着用している装備や服装だけから判断すると、おそらく大戦中期以降と推測出来るのですが、細部をよく見ていくとどうも不自然な点が・・・ まずこの時代のカメラを使ったプライベート撮影だとしたら被写体が鮮明に写りすぎており、なおかつ写ってる人物の顔がドイツ人ぽく見えないし、外国人義勇兵だとしても大戦中の人物にはあまり見えません。 
服装の考証については見たところ問題ない感じですが、果たして・・・・

拡大図
この写真で目を惹くのはまずこの部分、中央の武装SS下士官の帽子がベレー帽というところです。 当然このような規格帽は武装SSに存在せず、大戦初期のパンツァーベレー帽とも明らかに形が違います。 とするとこの帽子は下士官の私物か英軍などからの鹵獲品という可能性もあるのですが、この写真がイギリスから入手したというのが帽子の出所に疑惑を感じさせます。
左のM42野戦服を着用した兵士は下士官候補生で、一応この下士官グループと休暇?を共にしている説明はつきますが、さて・・・ 
スモッグではない独自の仕立てによるものと思われる迷彩服です。 規定通りに肩章が付属していないのはわかるのですが、そうなると袖につく迷彩服用の階級章が見当たらないのが気になります。 ただ、この人物が下士官なら階級の判別は非常に重要なのですが、彼の襟のアップからはトレッセが確認出来ないので下っぱの兵卒が階級章を省略していることは十分考えられます。 でも左腕の国家鷲章まで見当たらないのは少々変な感じも・・・・
襟部分を拡大するとSSルーンではなく髑髏章のようにも見えます。
大きなボトルからワイン?を吸い込んでいる(こういうボトルを使ったワインの産地はどこでしょう?)下士官には、なぜか襟のトレッセが付属していません。 戦車兵などならともかく、一般の野戦服で下士官がトレッセなしの服装を着用してるのは珍しいかもしれません。
右の下士官はポケットのプリーツの形状からM42野戦服風に見えますが、襟の部分はM36を意識したダークグリーンのものに改造しているようです。
カメラ類のアップ。 私は詳しくないのですが、どう見ても大戦中のモデルに見えないんですよね。
印画紙の裏面。 文字の意味はわかりませんが、AgfaBroviraのスタンプは大戦中のものと一致します。 が、この撮影が1950年代くらいなら、大戦中の未使用の印画紙を入手することはそう難しくもなさそうなので、印画紙をもってこれを本物とは断定出来ません。

作成 : 2005年9月9日




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