国防軍将官の騎士鉄十字章授与

従軍記者の撮影による、国防軍将官の騎士鉄十字章授与のスナップ。
これらの写真には元々キャプションなどはなにもなく、従軍記者が撮影した200枚以上の雑多な写真の山の中から同一印画紙・内容の10枚ほどを私が抜き出したものなので、受章した将官の名前や日付・場所等は全くわからなかったりします。


こちらが今回の主役、騎士鉄十字章受章者となる国防軍将官です。

まだ未確定なのですが、この将官はFriedrich Mieth歩兵大将というのが有力っぽい感じです。
彼の騎士鉄十字章受章は1943年11月2日なので、もし人物が確定すると撮影日もおのずと確定となるわけですが、この時期の南方軍集団戦区の風景としてはあまり冬っぽくないような・・ しかし実は43年冬はそれまでと違いロシアの冬将軍が来なかった年なので、背景に雪などがなくとも不自然ではないのかもしれません。
ちなみに彼は43年11月の時点で、下で記載するホリト将軍の第6軍に所属する第4軍団の司令官でしたから、上級将官が配下の将官に勲章を授与するのは自然なことで辻褄もぴったりすることになります。



柏葉騎士鉄十字章


クリミアシールド
こちらが授与する側の国防軍将官、Karl Adolf-Hollidt(カール アドルフ-ホリト)上級大将です。
襟元の柏葉岸鉄十字章は1943年5月にハリコフ攻防戦での功績から受章、9月1日には上級大将へ昇進を果たしていることから、師団長クラスの将官に騎士鉄十字章を授与するに相応しい人物であることは間違いありません。
この写真の撮影時期(43年11月2日なら)の彼は、スターリングラードで壊滅後に再編された第6軍司令官となっているので、この写真の撮影場所も東部戦線(南方軍集団戦区)のどこかの街か村ということになるのでしょう。







授章後に早速記念の1枚。
真新しい輝きの騎士鉄十字章を襟元につけ、なにやら授章前に比べて表情も誇らしげに見えます。


最後は彼の同僚や部下達との記念撮影。
見ると通常の歩兵将校の他にも戦車兵や突撃砲兵、空軍などの服装も混ざっているところから、おそらくその場に居合わせた将校たちも集まって記念に1枚、みたいな雰囲気の元で撮影されたのでしょう。

それにしてもこの従軍記者は、将官の授与式の撮影をまかされたり、他ではOKH(陸軍総司令部)直属の将官について撮影を行っていたりと、単なる従軍記者にしては特別な地位に就いていた感じも伺え、その身元については非常に興味深かったりします。

作成:2004年08月24日
加筆:2005年10月03日


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