空軍野戦師団の突撃砲兵


この写真は個人的に資料的価値が高いと判断して入手しました。
下士官クラスの突撃砲搭乗員(おそらく各車長)が勢ぞろいして、なおかつそれが空軍野戦師団所属ともなると、このように1枚の中で多人数の軍装を比較できる写真というのは滅多に見ることは出来ません。
写真はAgfa・Broviraの印画紙で、焼き付けや紙の状態が非常に良いのですが、残念なことに裏にはキャプションなどが何もなく、情報は写ってるものからしか推測出来ません。
おそらく人物が比較的若く10代にも見えるような感じからして、末期1944年頃の東部戦線での撮影と思われますが、外見は少年兵のような感じといっても、各下士官の上着には1〜2級鉄十字章や空軍突撃章、戦傷章などがいくつも見られ、少なくとも数回の実戦を生き抜いてきた空軍野戦師団としては珍しいエリートの部類に入る兵士であることは間違いなさそうです。

この写真最大の特徴はこの部分、どちらも空軍突撃砲兵ですが、明らかに着用している服の色が違うのが、白黒でもはっきり確認することが出来ます。
突撃砲兵のジャケットはフィールドグレイというのが一般的ですが、仮に右の人物の色がそれだとすると左の人物のは明らかにそれより濃い目です。
私は未確認なのですが、ひょっとすると左の人物は、空軍製の生地から作られたブルーグレーのジャケットを着用しているのかもしれません。

各自の服や靴が汚れもなく綺麗に見えるところから、おそらくフリーガーブルゼに代わってジャケットが支給されたばかりなのでしょう。

この写真の突撃砲兵には、将校も含めて襟章が見当たりません。 空軍野戦師団において襟章がブランク状態なのは珍しいことではありませんが、これは明確な規定があったわけではなく、例えばヘルマン・ゲーリング師団の突撃砲兵などは、通常のカモメ章つきの襟章や陸軍型の髑髏章をつけていたりと、そのバリエーションは様々だったりします。


同じ場所、時間に撮影されたもう1枚の写真は、空軍野戦師団の突撃砲兵大尉で、おそらく上記の下士官の上官であり中隊長クラスの人物と思われます。

肩章の拡大画面。
いつも白黒写真では兵科色がわからないというのが非常に惜しいのですが、この写真では特に…
空軍地上部隊の兵科色は基本的に陸軍に準じていますが、この写真が44年のものならば空軍野戦師団は43年秋より陸軍管轄となっているので、突撃砲兵ならば赤色、もしくはピンク色となるのでしょうか?

2004年12月19日
加筆:2007年12月18日


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